オーバーナイト(低温長時間発酵)で作るベーグルレシピ【一晩冷蔵庫でパン生地を作り置き】

ベーグルをオーバーナイト製法で作る方法を教えてほしいス!

こんなお悩みにお答えしていきます!

自分もベーグルを作るときは、基本オーバーナイト!
オーバーナイトだと、ベーグルの美味しさが増すのはもちろん、途中で作業を中断できたり、作る工程の自由度もかなり高くなるので、おすすめです!

本記事の内容

・オーバーナイトでベーグルを作る方法
・オーバーナイトでのメリット・デメリット
・オーバーナイトを使うタイミングがどこにする?
・オーバーナイトでの注意点

本ブログの管理人

趣味でベーグル作りを長年続けており、地域のイベント等で自作ベーグルを販売したりしてます。
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ではさっそく行ってみましょう!

目次

オーバーナイト製法とは?

オーバーナイトは、パン作りに使われる手法のことで、生地を冷蔵庫に入れて、低い温度で長時間寝かせることで、より複雑で豊かな風味や食感が得られます。

夜仕込んだ生地を翌朝に焼くことから「オーバーナイト」といいます!
低温長時間発酵とか冷蔵庫発酵とも呼ばれるよ!

ベーグルの美味しさを追求するなら、一度はチャレンジしてみる価値があります!

オーバーナイトのメリットをいくつかご紹介していきます。

オーバーナイトのメリット【ベーグル作り】

風味豊かになる

生地が発酵することで生まれる風味(香り)成分は、その温度帯によって違ってくるそうです!
よく拝見してる「黒猫サンタさんのブログ」にもこんな記載があります。

(低温長時間発酵は)常温発酵(25℃)でのエタノール、エステルに加えて、低温発酵(6℃)によりアセトン、アセトアルデヒドといったフレーバー、高級アルコール類の有効成分を生成させる製法です。

つまり生地を発酵させるにしても、低温発酵と常温発酵ではイキイキと活動する微生物(菌)の種類が異なり、低温⇔常温を行き来することで、より多くの微生物(菌)がアルコールや酵素をたくさん出し、生地が熟成され、より深い味わいが生まれるんですね。

日持ちするしっとりした生地になる

長時間寝かせることで、小麦粉の芯までしっかりと水分が浸透し、しっとり・みずみずしい生地になります。パン用語で「水和」と言うらしいですが、うどん作りでも大切らしいです!

うどん作りの”極意”「水和」とは(吉原食糧株式会社)

また保湿性が高まるので、焼きあがるベーグルもしっとりな仕上がりに。
パサつかず、その食感も長持ちします。

酵母(イースト)臭がなくなる

低温で長時間発酵するので、酵母(イースト)の量は少なくてすみます。鼻にツンとするような酵母(イースト)の独特な香りがなくなり、小麦本来の風味が引き立ち、粉の味がしっかり出ます! 粉好きにはたまらない感じですね。

作業時間の自由度が高い

生地を冷蔵庫に入れた後、長時間放置することが可能です!
通常のパン作りは、一度作り始めると作業に拘束され、まとまった時間が必要になりますが、オーバーナイトを使うと、夜寝ている間や仕事をしている間に酵母がゆっくりと発酵を進めてくれて、作業から離れることができます。

また作業を再開するタイミングもある程度自由が利くので、スキマ時間の活用や時短になり、忙しい人には特におすすめです!

朝一で焼きたてベーグルが食べれる

ベーグルは朝作り始めると食べれるのは早くてお昼。一般的なレシピでも2~3時間はかかるので。
ただしオーバーナイトで前日に仕込んでおけば、翌朝すぐに焼き立てのベーグルを食すことができます。 朝食用にはオーバーナイトがおすすめ!

オーバーナイトのデメリット【ベーグル作り】

全体の作業工程は2日間にまたがるので、2~3時間でベーグルをサクッと作りたい人には不向きかもしれませんね。また生地量によっては冷蔵庫内で場所を取る可能性もあります。

ただデメリットらしきものはそれぐらいで、手間もほぼ変わらないので、本当にメリットしかない気がします!

ただ、オーバーナイトは使うタイミングによってその効果やメリットも変わってくるので、もう少し詳しく説明していきますね。

オーバーナイトを使うタイミングはどこにする?(それぞれの効果やメリット)

どのタイミングでオーバーナイトを使うかで、その効果やメリットはかなり違ってきます。

ベーグルを作る場合は、主に以下のA~Cパターンのいずれかになります。

Aはコネ終わった後、大きなかたまりのままオーバーナイトする方法(一次発酵のタイミング)

Bは分割してからオーバーナイトを取る方法(ベンチタイムのタイミング)

Cは成形後に二次発酵で使う方法。

それぞれメリット・デメリットがあるので、まとめてみました。

メリットデメリット
A・冷蔵庫内で幅をとらない
・コシのある生地になる
・二次発酵での調整が利く
・翌朝の工程が多い(分割・成形から)
・過発酵になりがち
・発酵具合にムラができやすい
B・翌朝の工程がかなり楽
・過発酵になりにくい
・コシのある生地になる
・二次発酵での調整が利く
・翌朝の成形前に、復温させる時間が必要
C・翌朝の工程が最も楽(ゆでる/焼くのみ)
・発酵風味がしっかり残る
・コシが弱い生地になる
・冷蔵庫内で幅をとる

【A】一次発酵でオーバーナイトする方法

こねた後すぐにオーバーナイトさせる方法です。

メリットは、こね上げ後に大きなかたまりのまま生地を冷蔵に入れるので、冷蔵庫内でも幅を取らないで済みます。

またBも同様ですが、過発酵気味や発酵が足りないときも、二次発酵の時間を長くしたり・短くしたりコントロールすることで、調整が利きます。

デメリットとしては、翌日は分割・形成からスタートしまだまだ工程が多く残っているので、朝食用に準備するときは不向きです。

また生地サイズが大きいと冷蔵庫に入れてから生地内部が冷え切るまでに時間がかかるため、過発酵になったり発酵具合にもムラができやすいのも特徴です。

オーバーナイト後の生地

【B】ベンチタイムでオーバーナイトする方法

分割したあとでオーバーナイトさせる方法です。

メリットとしては、翌朝成形からスタートできるので、Aと比べると作業工程がかなり楽です!

あとは分割で生地サイズが小さく、冷蔵庫に入れてから生地が冷え切るまでの時間が短くなるため、過発酵にもなりにくく、発酵管理がしやすいのも特徴です。

またこのあとの成形で再びグルテンが刺激されるので、Cと比べるとコシの強い生地になります。

デメリットとしては、翌朝の成形前に復温させる時間が必要になってきます。

【C】二次発酵でオーバーナイトする方法

成型まで済ませてからオーバーナイトする方法です。

翌朝は茹でる・焼くだけなので、この方法がもっとも効率が良いです。
また茹でるお湯を沸かし、レンジを予熱してる間に冷蔵庫から取り出した生地も復温される(生地の温度が常温に戻る)ので、時短にもなります。

しかもAやBでは冷蔵発酵の後に分割や成型作業で生地のガスが抜けてしまいますが、Cの場合はその後に生地をイジらないため、冷蔵庫内での低温発酵から常温発酵まで様々な香気成分を封じ込めることができるため、より複雑で奥行きのある風味になります。

デメリットとしては、AやBのようにオーバーナイト後は生地に触れないので、生地が緩んだまま焼きに突入するため、出来上がりもコシが弱い生地になる傾向があります(ただAやBに比べ、水分をちょっと減らして硬めの生地にするなど調整はできます)

また成形した生地を冷蔵庫内に入れるため、かなり幅をとります。
オーブンシートを敷いたレンジプレートの上に生地を並べ、そのまま冷蔵庫内に入れる感じになるので、それなりにスペースを確保しておく必要がありますよね。

オーバーナイト後の生地

というわけで、いよいよオーバーナイトを使ったベーグルの作り方を解説していきます!

オーバーナイト(低温長時間発酵)でベーグルを作る方法

 本ブログで紹介しているレシピ「ニューヨークベーグルの作り方」をベースに、先ほどのC(成形後にオーバーナイト)の方法を応用してみたいと思います。
材料の分量は同じで大丈夫です!(イースト量減らしてもOKですが)

【材料(3個分)】
強力粉 300g
砂糖 15g
塩 4g
ドライイースト 1g
水 150g 25~28度
モルトパウダー(茹でる用) 1g
 ※はちみつ・砂糖でも代用可

強力粉を入れたボウルに砂糖を入れます

次に塩を入れます

ドライイーストをぬるま湯に入れ、ゆっくり混ぜます

ボウルに入れた材料を軽く混ぜて、中心に穴を作り先ほどの液体を流し込みます

スケッパーで混ぜていきます

水分が無くなったら手で混ぜていきます。

しっかりまとまったらボウルから取り出し、手で捏ねていきます。

捏ね時間は目安は10分程度

表面がツルっとしたら終了

分割していきます

各生地をコロコロ転がして、棒状にしていきます

一次発酵:30℃で30分発酵させます

生地が乾燥しないように、水に濡らして固く絞った布をかぶせてから、レンジに入れます。

成形します

一次発酵が終わったら、成形をしていきます。
※具材を巻き込むタイプは、ここで綿棒で生地を伸ばし、材料を練り込みます

オーバーナイトします

成形できれたら、7~8時間ぐらい冷蔵庫に入れる。
※乾燥しないように水に濡らして固く絞った布をかぶせる。

鍋にお湯を沸かします

オーバーナイトが終わったら、鍋でお湯を沸かすのと同時に210度でオーブンの予熱を開始します。※鍋にはモルトパウダーを入れます(はちみつ・砂糖で代用しても良いです)

沸騰してきたら弱火にして、ベーグルを入れていきます

片面30秒程度、茹でます。

茹でるが終わったら、そのままオーブンへ。190度で21分で焼く

焼けたらすぐに取り出し、焼き網のうえで冷ます。これで完成!

よくある質問:オーバーナイト(低温長時間発酵)で作るベーグルについて

冷蔵庫の場所はどこがいいの?

結論から言うと、「冷蔵室」がおすすめです!
冷蔵庫の「冷蔵室」「チルド」「野菜室」の各温度は、それぞれ違っていて、温度の低い順に並べるとこんな感じ。

チルド(約0~3℃)< 冷蔵室(約2~5℃)< 野菜室(約3~9℃) 

「チルド」の温度は、約0~3℃と低く食品が凍る寸前の温度帯。
「冷蔵室」の温度は、一般的に約2~5℃です。
「野菜室」は野菜の鮮度を保つために、冷蔵室よりも少し高めの温度に設定されてます。

そのため野菜室でオーバーナイトをすると、発酵が早く進んでしまい過発酵になりがちです。

自分もオーバーナイトに挑戦し始めたころ、これが原因でよく過発酵になってました。

一方、チルド室は約0~3℃と凍る一歩手前の温度なので、発酵がほぼ止まります。
(なので発酵が進みすぎて発酵を止めたいときは「チルド」を活用すると便利!)

そのため緩やかに発酵を進めたいのであれば「冷蔵室」がベター!
しかも「チルド」付近は温度帯が比較的低く、おすすめです。

冷蔵庫に入れる時間はどのくらいがいいの?

ネットの情報を見ても「12~18時間」「6~8時間」「8~12時間」など諸説いろいろで迷いますよね。
実際イーストの量、直前の生地温度、庫内の温度などにより変わってくるので、一概には言えません。ただ少なくとも8時間ぐらいは入れないとオーバーナイトする旨味があまりなってくるので、できる限り庫内温度が低い場所に入れて、ゆっくりと発酵を進めるのがおすすめです!

まとめ:オーバーナイト(低温長時間発酵)で作るベーグル

・オーバーナイトでベーグルを作る方法
・オーバーナイトでのメリット・デメリット
・オーバーナイトを使うタイミングがどこにする?
・オーバーナイトでの注意点

ぜひ、参考にしながらチャレンジしてみて下さいね。

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