ベーグルを茹でる(ケトリングをする)理由

ベーグル作りは、焼く前に一度沸騰したお湯の中で茹でる工程があります。そこが他のパンとの作り方の大きな違いになります。その工程(ケトリング)について詳しく解説していきます。

本記事の内容

・ベーグルを茹でる(ケトリング)理由
・茹でるときに注意すべきポイント
・茹でるときにモルトパウダーを入れる理由

本記事の信頼性

本記事を書いている僕は、ベーグル作りを長年続けています。お店を運営しているわけではないですが、今では自作ベーグルをイベント等で販売できるようになりました。 https://bagelfulness.com/profile/

ケトリングをする(茹でる)理由

ベーグルの食感といえば、「外はパリパリ、中はモチモチ」です。

まさにその食感を作り出す上で重要なのが、この茹でる工程。


ベーグルを茹でるには2つの理由があります。

生地を膨張させる

茹でることによって、生地内で酵母が排出するガスが膨張し生地が膨らみます。

ここであらかじめ茹でておくことで、焼成時に生地が膨らむことを防ぎます。

それによってふっくらとした感じではなく、生地が詰まって噛み応えのある生地を作ることができます。

生地を糊化させる

そもそもベーグルの主成分である小麦粉の構造についての理解が必要なので、少しだけ小難し話をします。

小麦粉には、タンパク質などいろいろな栄養素が含まれていますが

実はそのうち70%がデンプンです。

そのデンプンは、一体どんな働きをしているかというと

でんぷんの特徴のひとつとして、その糊化(α化)現象があります。

でんぷん粒は加熱すると水を吸収して膨らみ始めます。

さらに加熱するとでんぷん粒は膨潤(ゼラチンのようなブヨブヨになること)を続け、体積は数倍にふくらみます。


温度上昇とともに水を吸収したデンプンはその後崩壊し、糊化(アルファ化)します。

まさにケトリングでベーグルの生地表面は一度糊化されます。

糊化のピークは85〜90℃ぐらいといわれているので、それ以上の温度で加熱すると、デンプンは粘度を失い固体の状態に変化していきます。

そのため、焼き成りで表面は固くなってこれ以上膨らまなくなるが、中は膨張し続けようとしパンパンになるので、それによって中の生地に弾力が増し、モチモチになります。

また固くなった外側も焼きなりの熱で水分が飛び、パリッと艶のある感じになります。

ケトリングにおける注意すべきポイント

茹でる温度

デンプンの糊化は55℃から始まり、85℃で終わります。

お湯に入れる前の生地表面の温度は低いので、デンプンの糊化にとって適正温度は85〜90℃ぐらいといわれてます。

なので一度沸騰したら少し弱火にしましょう。小さい気泡がフツフツ出ている状態が目安です。

お湯が沸騰している状態(100℃)でゆでると、生地が十分に膨らまないまま一気に表面が糊化してしまいます。

そうすると生地にハリが出ることもないため、焼成後は生地表面のシワの原因にもなります。

 

茹でる時間

ゆでる時間は、片面30秒から1分程度。

ケトリングは生地の表面のみを糊化させることが目的なので、必要以上に茹でると内部まで糊化されてしまいます。そうすると、焼成後に外側が厚くなってしまい、さらにシワになりやすくなります。

ケトリングに入れるもの

本来はモラセスを入れます。日本語では「廃蜜糖」と呼ばれるそうです。

サトウキビから砂糖(白砂糖)を作った後の残りカス。白砂糖が純粋な糖分だとしたら、その残りのカスにはたくさんのミネラルなどの不純物が残っています。

入れることによって大きく二つ変化があり、

・酵母のエサとなり発酵が促進される

・糖が熱でカラメル反応を起こし、生地表面にきれいな焼き色をつける

はちみつ、砂糖、水飴などでも代用可能ですが、焼き色のつき方が変わってきます。それぞれ糖質が異なるからです。少し表にまとめてみました。

 

ショ糖」から成る砂糖に対し、はちみつは単糖類の「果糖」と「ブドウ糖」を主成分としています。
 
パンに焼き色が付きにくい. 水あめの主成分である麦芽糖には、焼き色を付きにくくする働きがあります。 逆に、砂糖のショ糖やはちみつの果糖には焼き色を付きやすくする働きが。 では、水あめ入りの生地と砂糖のみの生地 
 

浮かないけど、OK?

結論から言うと、大丈夫です。

目の詰まったずっしりした生地の場合、しばらく沈んでいることもあります。

フライパン or 鍋どっちがよい?

 

さて、茹でるときフライパンがいいのか、鍋がいいのか、よくご質問いただくことがあります。

まずどちらでもケトリングはできますので、いずれかしかない方はまずご自宅にあるもので使ってみてください。

それぞれメリットデメリットがありますが、個人的には鍋をオススメします。

メリット

深さがある方がひっくり返しやすい

水跳ねしない

浮かんでくるかどうかが分かり易い

デメリット

水量が必要(沸騰まで時間がかかる)

 

  糖質 焼き色
モラセス 廃蜜糖
砂糖 ショ糖
はちみつ 果糖やブドウ糖
水飴 麦芽糖 ×

 

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